空中キャンプからはや10年〜00年代の幕開け〜

今号のスタジオボイス第二特集で、10年振りのフィッシュマンズ特集をやってました。96年のアルバム「空中キャンプ」から10年という事もあってか、昨年あたりからフィッシュマンズのイベントがいくつかありますが、タイミング的にはその総まとめ的な感じです。自分がフィッシュマンズを本格的に聴き出したのは99年、佐藤さんも亡くなってしばらくしてからなんですが、友人がファンだった事もあり、96年「空中キャンプ」あたりから気になる存在でした。(10年前もスタジオボイスフィッシュマンズ特集買った感慨も手伝い、今回も買いました)
なんというか・・ある日突然入ってくる音っていうのが時々ありますが、フィッシュマンズに関してはそれでした。なんとなく空のイメージがつきまとうのですが、ちょうど上京したてな頃でもあって、東京の空ってこの感じか〜とか、ちょっと感に入ってました(笑)。。
今でこそ時々しか聴きませんが、それでも聴くと心地よくもその後結構ぐったりしてしまいますね。久しぶりのタバコみたいな感覚といえばちょっと例え悪いかもしれませんが。
さて、96〜06っていうのは振り返るには振り返りやすい10年な気がします。××年代というと、どうも80年代も90年代も後半の印象が強く、前半は前の年代の名残がある感じがします。とすると、ちょうど96年〜06年っていうのがなんとなく時代の空気的に区切りが良いと思うのです。そして90年代(特に後半)というと、やっぱり「壊す」時代だったのでは?「壊す」ことがクリエイティビティの源泉でさえあった時代だと。「壊す」には「前に進まない」「何もしない」というのも含まれると思うのですが、フィッシュマンズは特に「何もしない」という事にものすごいクリエイティブなパワーがあったと思います。スタジオボイスの特集でも書かれてますが、今の時代だと表層的に見ればニート応援歌(笑)ともとられかねない詩であり音だったりもしますが、そういう次元はもちろんはるかに超えたところのクリエイティブな行為だったと。少しセンチな言い方をすると、99年で佐藤さんが亡くなったのは必然にさえ思えるし、むしろ出し切った感の方を感じます。

で、前置き(でした)長くなりましたが、00年代はそろそろ再び「創る」ことを
やっていかないといけない10年になりそうな気がしてます。

夏休みがフィッシュマンズを考えている。