FINAL HOME SURVIVAL-ADDICT EXHIBITION

冷たい雨の振るなか、渋谷のNANZUKA UNDERGROUDへTALKSHOWEVENTいってきました。
FINAL HOME SURVIVAL-ADDICT EXHIBITIONはFINALHOMEブランドのコラボレーション企画の展示です。
トークイベントは津村耕佑さん、佃弘樹さん、宇川直宏さんがゲストスピーカー。ヒロ杉山さんは欠席。
トークイベントのテーマとしては「アート・デザインにおけるSURVIVAL」だったのですが、いったい何のテーマだったか途中で見失ってしまいそうになるほど、宇川さんのパワーに圧倒される3時間強。宇川さん、序盤からのマシンガントークとにかく冴え渡り、時折はさむ毒舌ジョークと断定的な口調で場を圧倒しつつ、あ〜ものすごい博覧強記なのに感覚的に頭の良い人なんだなぁと、とにかく圧倒されました。。

さて、話のテーマであるアート・デザインのSURVIVALなんですが、一通り流れとしてはこんな感じでした。
まず、いわゆる「アウトサイダーアート」と呼ばれるもの、コンテキストの存在を前提とする「現代美術」、デザイン、それに職業アーティストの書くような「微妙なもの」(お土産アートなんていう言葉も出てました。)などの比較を皮切りにして、デザイン・アート・それぞれのマーケット原理というか構造に触れつつ「表現する事」を現在どういうスタンスでやるか?やれるか?という流れだったかと思います。

前述の通り、ほぼ宇川ワールドで話は進むのですが、宇川さん自身のいまのポジショニング(デザインでも現代アートでもなく、かつどちらでもあるような・・また途中でてきたテクノロジーに対峙する自身の立ち位置も含めて、非常に横断的なポジショニング)というのが、もちろん本人が「おいしい立ち位置」だと認めている通り美味しいのですが、戦略的に立ち位置を築いたというよりもやりたいように軸を変えずにやってきた結果が自然とそうなったという印象。理想な感じではあります。そのへんの強固な軸へのこだわりが、議論の後半で「岡本太郎批判」ならぬ「文化人・知識人による岡本太郎総絶賛的な状況批判」の爆発トークへも繋がった感じでした。聞いていて過剰な自己というか、絶えず反体制側へ立つ事でかえって体制側を過剰に意識してしまっている的に感じてしまう瞬間も正直ない事はなかったのですが、(常に勝ち負けで考えてませんか?と宇川さんに突っ込まれた津村さんが「宇川くんの場合はトレンドという敵と戦っているのでは?」な問いをさらっとしたのですが、そうじゃない!と即答してまね・・)不思議とそうとも感じない言葉と力と実直さがあったように思いました。

途中、客席の方も巻き込んでテクノロジーに勝てる(道具に使われない)で表現という事ってそもそも可能なのか?というような問題提起もあった訳ですが、このへんの議論はプログラムコード書くか、バグを逆手に使うか(ずらす)どちらかだろう。そんな議論は昔からあった訳で・・という事で最後に客席にいた佐藤さん(アジールデザイン)がまとめた感じでした。(もちろん、筆にしてもフォトショ、イラレはじめデジタルツールにしても道具は道具なので、この議論の本質は昔から変わっていないというのも事実だと思いつつ、デジタルの場合、技術がますます見えにくくなっていく中で無意識に筆を持っているという事が以前よりもものすごく拡大していると思うので、別の場での深い議論はあっても面白いな〜と思う。最近、テクノロジーとアートをテーマにした企画がなんだかやたらと多い気がするのは時代的に一回整理したいという空気なのかも・・)

さて、作品の方ですが、宇川さんの姉歯を題材にしたグランドステージも良かったのですが、佃弘樹さんの作品(ガンプラで作った未来のビジネスマン)はかなりツボでした。

最後に・・岡本太郎絶賛の主犯格なみに攻撃されてましたタナカカツキさんとの対談をぜひ見てみたいです。